金の斧、銀の斧

銀の携帯電話を水の中に落としたところ、泉の精が現れて、金の携帯電話をくれました。16000円取られました。その他の手数料はまた追って引き落とされるそうです。


そんな感じで携帯洗濯。
気づいたときにはもう遅く、洗濯槽の中をぐるぐる回る銀色の携帯。
ドライヤー片手にこの世の終わりみたいな表情で30分くらい乾かしてみたんですが、電源はおろか耳の横で降るとまだチャポチャポと言う水音まで聞こえる始末。
そして半笑いのままボーダフォンショップへ。


「あー、水没の場合保証効かないんですよぉー、えーとぉー、機種変更ということになりましてー、お客様のお使いの機種ですとこちらになりますねー」


で、目の前に並んだ金の携帯と銀の携帯。銀はさっきまで使ってたやつ。んー、あの、別の色はないんですか?


「あー、現在店頭にはあとピンクしかなくてですねー、でも、まあピンクはちょっとアレじゃないですかー」


あー、アレですもんね。
き、金かー。金てなあ…。でも銀っつう、おんなじ携帯選ぶのもなんか悔しいしなー。


結局、銀の携帯を水に落としたら金の携帯になっちゃったー!という、そんなくだらない事のために欲しくもない金を選んだんですけど、周りの評判が悪い悪い。
「金って、なんかいやらしい。」
「大体、泉の精ネタ自体がサブい。」
「無駄な出費多すぎ。」
「ていうか、いつか不注意で命を落とすよね。」
「お前はもっと生まれてきたことを後悔するべきだ。」
と、それはもうひどい言われよう。


そんな感じで今ちょっと凹みながら色が変わったマイ携帯を見つめてるんですけど、
新しい携帯はなんか百式みたいな奴です。